ドイツ在住の作曲家、久美子ユンカーマン主宰の5ヶ月間で全25曲の表現と形式、和声と声かけをお伝えしている「ブルグミュラー表現指導法講座」
そこでお伝えしている、いかに生徒に自発的な表現力を身につけさせるのか?ということの一部を3回に分けてお送りします。

このブログはその2回目です。
前回のブログStep1をまだお読みではない方は、こちらを先にお読みください。
Step1を読む

Step2 まずは曲全体、そして個々の部分をイメージとストーリーで表現

Step1で、曲のタイトルの意味や、その背景に興味をもったら、Step2では、まずは曲の全体を、そして個々の部分をイメージする、ということですが、これはどういうことでしょうか?

新しい曲に進んだときに、先生の模範演奏をする先生は、その演奏を聴いた印象から、または、模範演奏はしない場合は、少しづつ楽譜を読みながら、タイトルとその曲全体の雰囲気をつかみます

たとえば、25番の「乗馬」(貴婦人の乗馬)を全体で捉えるのなら、

「馬に乗っていろいろなところを走っているんだな。」

程度でいいです。

もともとの全音版では「貴婦人の乗馬」というタイトルだったのが、「乗馬」となってしまったのは個人的にとてもショックでしたが、ここではイメージしやすくするため、「貴婦人の乗馬」とします。

この画像は、ズボンですが、もしかしたら、昔の貴婦人だったら、ドレスを着たままかもしれませんね。
自由に発想していいのです😀

全体をイメージしてみたら、今度は個々の部分の曲想の違いに気をつけながら、それぞれの部分をイメージし、絵や言葉あるいはストーリーで
表現
してみます。

例えば、
・どんなかっこうをして
・どんなところを
・どんなふうに走っているのか?

それが、次の場面では、

・どんなところを
・どんなふうに走っているのか?

というふうに。


ここで注意したいのは、
イメージしたものにみんな共通の一つの正解はない!
ということで、

一人一人が自由にイメージしたことが、その人にとっての「正解」
ということなのです。

さらにいうなれば、
何をイメージしたか、以上に、自分で音楽からイメージをふくらませるという行為自体が大事
なのです。

これが、その子の表現力、につながります

絵を描くのが好きな子は、絵を描けばより具体的にイメージを形にできますが、そうでない子は、言葉でどんな感じか、そして、それがどのような場面に変化したか、を言語化して、ストーリーを作ってみるのです。

言語化も難しければ、先生と一緒におしゃべりしながら、一緒にお話を作っていけばいいのです。

それも難しければ、先生が少しづつ例を出して、誘導していくといいでしょう。

このその場面場面をイメージし、ストーリーを作っていく、ということが、曲の流れをつかみ、ごく簡単な楽曲分析にもつながるのです。

そうすることで、ただ単に音符をひとつひとつ読んでいくよりも、曲に対する興味がわき自分の感情と結びつけながら曲の全体像も掴め、自発的に取り組んでみよう、というモチベーションが高まるのです。

では、そのイメージとストーリーを考えついたところで、どのようにピアノの演奏に結びつけるのでしょうか?

それは、次回のブログのStep3 をお楽しみに!

Step1にもどって読む


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